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様々な目線でなくてはならない物流センターを目指して

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阪南倉庫が運営する倉庫は、いわゆる「物流センター」と呼ばれる施設になります。物流業務を行う施設(センター)ということにあるのですが、改めてこの物流センターの定義とその役割について、今回は深く掘り下げてお話ししたいと思います。物流センターの「物流」について、日本工業規格が定める定義は「物資を供給者から需要者へ,時間的及び空間的に移動する過程の活動。一般的には,包装輸送保管荷役流通加工及びそれらに関連する情報の諸機能を総合的に管理する活動。」となっており、この物流を管理する施設を物流センターと呼びます。商品の流れである物流は、よく川の流れで表すことが多いのですが、簡単に言うと、川上から川下までで、川が氾濫しないように、スムーズに流すためのダムや堰のようなものと言えるかもしれません。

   

では、企業はなぜ物流センターを設立するのか、その役割について考えたいと思います。

・注文に応じて商品を正確に迅速にお客様にお届けするため

・製造している(または購入している)工場や交通手段と販売先の立地などを考えて合理的な保管・納品を実現させるため

・売りたい商品を計画的に保管し欠品しないように納品するため

・商品の資材や部品など販売やメンテナンスするために必要な資産を効率的に管理するため

・発生する物流の作業を集約しコストを下げるため

・顧客の納品物量を集約することにより運送のコストを下げるため

・物流を一元管理することにより品質を的確に管理し精度を上げるため

値札付けやギフト包装、広告封入など変化する商売上のニーズに幅広く対応するため

・商品の発注・生産・仕入情報や受注・取り置き・売上情報などをサプライチェーン管理として総合的に管理するため

など、様々な理由がありますが、これらの役割が、多くの物流センターでお客様に提供しているサービスと密接に関係していることが分かります。さらに、ここで挙げられた役割を、実際に行うサービスの内容で分類することができます。

   

1つはTC(Transfer Center:トランスファーセンター)と呼ばれる通過型の物流センターです。これは特に配送を中心に考えられた倉庫で、できる限り低コストで迅速な納品を実現するために、商品を在庫することを目的とせず、商品を納品先別に仕分けたり、また一度に作ったものをセンターで受取り、それを方面別に積み替えたりすることを目的としています。このセンターは、作業も仕分けたり積み替えたりと限定的なものであるため、設備投資もそれほどしないで、設備もシンプルですが、ここで行われるすべての作業を即日即応するために、事前情報が整備された高度な情報倉庫であることが特徴と言えます。

   

次はDC(Distribution Center:ディストリビューションセンター)と呼ばれる流通型物流センターです。このタイプの倉庫は、一般的に一倉庫一顧客の運営で、一般的な会社が商品を流通させるために必要な業務の流れ、つまり受注後、物流センターに出荷指示が出され、注文に応じた製品、数量をピッキングし、出荷検品、梱包を行って、顧客が必要とする納期に出荷を行います。また在庫を持つセンターということから、出荷頻度に合せた保管レイアウト、保管番地(ロケーション)を考え、作業動線を短くしたり、また在庫差異を無くすために入出荷の検品、定期的な棚卸、ピッキングミス防止のための番地の明確化などが必要とされています。そのために、設備は棚や自動ラック、特殊パレットなどの保管設備や、在庫管理のためのコンピューターシステム、伝票や値札発行のためのプリンター、快適に過ごすための食堂や休憩室、作業軽減や作業動線を縮めるための自動搬送装置などが設置されます。

   

最後に、PDC(Physical Distribution Center: フィジカルディストリビューションセンター)と言われる総合物流センターです。これは、一倉庫複数顧客や複数仕入れ先などの運営で、DC同様の流れに加えて、商品の流通加工やギフト加工、部品組み立て、商品品質の検査や修理、返品処理、複数拠点の管理と連携、顧客との情報連携や処理などを行います。阪南倉庫が運営する倉庫は、主にこのPDCが多く、このセンターの運営は、物流資産(建物や機械、マテハン機器、情報システムなど)を最大限活用したり、また社員が複数顧客の作業をすることで、生産性を向上することが可能となります。

   

阪南倉庫のような物流事業者にとって、この物流用語はあまりに当たり前すぎて普通に使っていますが、もともとこの仕事に関わっていない方にとって「物流センター」と言われても、トラックがいっぱい停車している倉庫くらいのイメージで、その具体的な内容については非常に難しい言葉なのかもしれません。改めて、この言葉の意味と役割をできるだけわかりやすくご説明しましたが、今回の説明で物流センター、さらに阪南倉庫をイメージして頂きやすくなったならうれしく思います。阪南倉庫は、プロフェッショナルな倉庫として、顧客目線、商品目線、従業員目線など、様々な目線でなくてはならない物流センターを目指して頑張りたいと思います。

   

   

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