BLOG

川の流れと物の流れは似ています

CATEGORY /  物流用語

物流の仕事は、書いて字のごとく「物の流れ」ですが、「川の流れ」に例えることも多いです。川で例えると、大雨が降った場合、河川によっては洪水が発生しますが、すべての川で洪水が発生するわけではありません。予測不可能な降雨。岩や障害物などによる複雑な流れ。雨水など排水のコントロール。上流部のダムや貯水池など水量調整機能の有無など、その原因は複数存在します。では、物流の場合、河川の洪水にあたる状況はどのようなもので、さらに何が原因であるのでしょうか。恐ろしい話ですが、この河川の洪水にあたるのが物流では「物流崩壊」であり、商品が倉庫に入らない、保管する場所がない、出すことができない、商品を届けられないなどがこれにあたります。この物流崩壊の最も大きな原因は「物流波動」と呼ばれる状態です。今回はこの物流波動について、用語集としてお話ししたいと思います。

   

一般的に物流波動と呼ばれる状態は、①入荷系、②在庫系、③出荷系、④付帯作業系、⑤運送系の5つに分類されます。これら5つの分類について、1年間のそれぞれ取り扱い量の平均値を計算します。その平均値に対して、特定の時間(日次、週次、月次など)ごとに発生する凸凹を「物流波動」と呼ぶのです。この物流波動を生む原因はいろいろありますが、今回はできるだけわかりやすく整理するために、物流業務別に5つの分類毎にまとめてみました。以下の通りとなっています。

   

①入荷系

・予定の日時に商品が入荷されない

・予定よりも大量の商品が入荷される

・1つの注文に小分けで何度も入荷される

・約束と違うものや予定にない商品が入荷される

・著しく品質が落ちる商品が混じっている

・商品の判別が困難な商品が入荷される

   

②在庫系

・計画よりも在庫が大量になっている

・在庫の回転率が悪い

・長期取り置き商品や品質トラブルなど出荷できない在庫が存在する

・商品の判別が困難な商品が保管されている

・何がどこにあるかわからなくなっている

・所有者が知らない間に変わっている

   

③出荷系

・事前販売計画が共有されていない

・予定よりも大量の商品が出荷される

・特定の時間、特定の曜日など出荷のタイミングが集中する

・欠品していた商品が、入荷後大量に出荷される

・広告など特別売り出しにより大量に出荷される

・イベント企画などで一斉に出荷される

   

④付帯作業系

・品質トラブルで急きょ検品などの対応が必要になる

・セット販売やギフト販売などが短期間で計画・実行される

・値段の変更が急きょ発生し、値札付け・値札付け替え作業などが大量に発生する

   

⑤運送系

・急激な増量が発生する

・急激な減量が発生する

・大きな物量の積み込み積み下ろしで待たされる

・トラックの荷捌きが狭い

・商品の受け取りなど運ぶ商品の判別が必要

・渋滞など計画通りに運べない

   

このように、物流の業務別に考えても波動が生まれる原因は多く、物流に携わる方々は、必ずといっていいほど波動に悩まされています。さらにこれらの波動に対応するために、物流資産(建物、設備、車両、人員、システム)などを増強する必要があり、大きなコスト増加要因になっています。このように、波動が大きくなればなるほど、自社で物流を対応することによるリスクは膨らみます。この波動吸収の手段として、営業倉庫が存在している訳です。

    

営業倉庫の存在理由の一つに「波動吸収」があると言っても、何も対策を講じることなく大きな波動に直面した場合には、その波に飲み込まれてしまうことも少なくありません。上の5つの分類毎にしっかりと対策を考えて、標準化、平準化、システム化をすることで、国土交通省が定める3つの指針「簡素で滑らかな物流」、「担い手にやさしい物流」、「強くてしなやかな物流」が実現できるのです。

   

   

#物流用語集

#物流波動

#物流資産

#営業倉庫

#波動吸収

#簡素で滑らかな物流

#担い手にやさしい物流

#強くてしなやかな物流

関連用語

一覧へ