BLOG

倉庫会社の商品ってなに?

CATEGORY /  物流用語

一般的に、会社という組織はどのような業態であっても、商品を買い付けたり、生産したりして、その商品を販売することで売り上げを得て、そこから経費を差し引いて、利益を得ます。この商品が、会社によっていろいろ違う訳ですが、その商品が若干わかり難い会社もあります。例えば、銀行の商品はなんでしょうか。「お金」をお客様からお預かりして、そのお預かりしたお金をいろいろな会社に貸し出して、その金利差で収益を得ることから、お金そのものが商品に見えますが、実はお金が商品ではなく、お金にまつわるサービスが商品で、お客様にとっては預けたお金をどのように増やすのか(それが、預金の金利なのか、株や保険などの金融商品なのかはお客様が選択する)、またお金を借りる側からすれば、そのお金を利用してどのような事業を実現するのかをサポートすることが銀行の役割で、その金融サービスこそが商品と言えます。では、当社のような倉庫会社にとっての「商品」とは、一体どのようなものなのでしょうか?倉庫会社なので、倉庫が商品なのではないか、そう思われるのではないでしょうか。倉庫不動産業の場合、倉庫が商品というのは適していると思います。ただ、一般的な倉庫業は、単純に倉庫不動産を貸すということに収まらず様々な商品を提供しています。それが物流サービスです。今回は、この物流サービスについて、考えてみたいと思います。

   

一般的な経済学で言われる産業分類では、第1次産業と呼ばれる漁業や農業、林業など自然を相手に商売をする産業と、第2次産業と呼ばれる鉱業、製造業、建設業などの商品や建物を製造する産業、そして第3次産業と呼ばれる、1次でも2次でもない産業に分かれます。日本の総務省が定める産業分類では、第3次産業は、①電気・ガス・水道関連業、②情報通信業、③運輸・郵便業、④卸売業、⑤小売業、⑥金融・保険業、⑦不動産、物品賃貸業、⑧学術・研究関連業、⑨宿泊・飲食サービス業、⑩娯楽関連業、⑪教員関連業、⑫医療・福祉関連業、⑬その他複合サービス業の13項目に分類されます。第3次産業は、本当に幅広くて、また13の項目とかなり細かく分けても、まだわかり難い項目はありますが、簡単に言うと、これらの項目ごとにお客様が「〇〇してほしい」と思っていることを行い、その行動に対価をもらっている事業と言えるのではないでしょうか。そこで、私たちの倉庫業ですが、当然③の運輸業に属しています。我々にとっての商品、つまり物流サービスは、お客様の物流に関する「○○してほしい」を実現することなのです。

   

では、お客様の「〇〇してほしい」の○○の部分はどんなものがあるでしょうか。いきなり一般論になりますが、会社を経営するときに必要となる資源は、「ヒト、モノ、カネ、情報」の4つとされています。お客様にとっての会社経営は、これらの資源を有効活用し、モノを流通させて、有効にカネを運用する仕組みと言えます。その中で、阪南倉庫のような物流サービス会社は、お客様の経営資源の内、物流が占める資源を、お客様に成り代わって有効活用することにより、お客様のモノの流れを円滑化し、より良いカネの運用を実現することで、お客様の「○○」に応えることができます。少し難しくなってきたので、私なりに簡単にまとめると、「物流サービスとは、お客様の物流に関連する経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)をお客様に代わって有効活用し、より合理的で最適コストなモノの流れを構築すること」を、物流サービスの定義としたいと思います。

   

今回の用語集をこのまま終わってしまうと、ちょっとモヤモヤ感が残ったので、最後に実際にどのような請求項目を阪南倉庫が使っているのかを、簡単に説明して今回は終わりたいと思います。この内容は前に倉庫業でお話しした時と重複するところがありますが、今回のブログに合わせて再編集しています。まず、お客様の経営資源に合わせて、ヒトについての請求項目は、荷役料(決められた保管場所への入庫、指示に合わせた出庫、配送先別、方面別の仕分け、荷渡し作業)、輸配送管理料(お客様の要望に合わせて合理的に輸配送し管理する作業)、流通加工料(商品が適正なものか、個数に間違いがないかのチェック、包装、詰め合わせ、ラベル貼り、検針、荷札付け、値札付け、組み立て作業)、在庫管理料(棚卸、ロット管理作業)、物流管理料(物流設計作業、商品企画作業、システム設計作業)となります。つぎに、経営資源のモノについて、これは、倉庫建物や設備に関連して、保管料(商品を効率的に格納し預かる作業)、機械レンタル料(パレットや特殊設備の貸し出し料)となります。そして最後に情報について、受発注等の情報管理料(情報接続、情報交換、伝票送付作業)となっています。倉庫業にとっての、商品である物流サービスについて、お話ししましたが、一番大事なことは、当社のサービスはあくまでもお客様の「○○してほしい」が一番大切なポイントです。常にお客様のお困りごとに敏感になることにより、時代に求められるサービス事業者となれることを、忘れないようにしたいと思います。

   

   

#物流用語集

#物流サービス

#経営資源

#荷役料

#輸配送管理料

#流通加工料

#在庫管理料

#物流管理料

#保管料

#機械レンタル料

#情報管理料

関連用語

一覧へ