売主が買主宛に作成する約定品の出荷案内書、物品明細書、価格計算書、代金請求書を兼ねた商用書類で、送状と呼ぶ。機能別に利用され、その主なものを説明する。
・商業送状(商業インボイス、commercial invoice):品名、数量、価格、契約条件、契約単価などが記載され、船積貨物の明細を現わすとともに、代金の決済、輸出入申告などもこれをベースに処理される。貿易取引において最も重要な書類のひとつで、輸出入通関を行う場合にも申告書類の一部として税関宛に提出する。輸出者が輸入者にあてて作成する積荷の明細書であると同時に、請求書の性格を持ち、輸入者からみれば輸入貨物の仕入書であり原簿である。
・領事送状(consular invoice):主として中南米、東南アジア諸国への輸出の際に、輸入価格の不正申告防止の目的で輸入国が在輸出国領事の認証を受けた送状。
・税関送状(customs invoice):アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南ア諸国へ輸出する場合に領事送状に代わる書類として要求される。これは輸入地の税関用に輸出者が作成するもので、輸入地の税関が輸入貿易に対する適正な課税価格を決定する場合の資料となる。