輸送機関の経路(リンク)で活動するのがキャリア(船会社や航空会社)であり、リンクの結節部分(ノード)を基盤として活躍するのが運送取扱等を行う業者でフォワーダーと称し、欧米のフレートフォワーダーに相当する。わが国ではこのようなフォワーダー業としては運送取次業、利用運送事業、航空代理店業、海運代理店業、海運仲立業、港湾運送事業、倉庫業などがある。フォワーダーの業務範囲は、JIFFA(㈳日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会)の国際運送取扱約款によれば次のようである。
①自己の名をもってする物品運送の取次や運送物品の受取、
②委託者の名をもってする物品運送の託送や物品運送の受取、
③運送人を利用してする物品の運送、
④上記3つの各業務に直接または間接に関係する一切の業務。
とりわけ、国際複合輸送等の利用運送、船会社等の実運送人への運送の取次、コンテナ詰め、船腹スペースの手配、船積書類の作成等運送に付帯するサービスの提供を行う業務が中心となる。荷主と実運送業者との中間的立場にあって、上記の基本機能のほか、次の様な付帯機能がある。
①運送関係書類の作成機能、
②輸送の調整・組合せ・スペースの手配機能、
③貨物の混載・仕分機能、
④集配・道路運送機能、
⑤コンテナ・サービス機能、
⑥通関機能、
⑦保管・在庫管理機能、
⑧流通加工機能、
⑨梱包機能、
⑩情報の処理・提供機能、
⑪その他の機能として保険代理業務、金融補助サービス、マーケット・リサーチ、アドバイスなどの業務を行う。
実運送業者と異なり、次の利点がある。
①自らは輸送手段を保有しないという立場を生かして多様なルートが作成できる、
②荷主にとって全体の経費の削減につながる付帯サービスを提供できる、
③ドアツードアのきめ細かいサービスが提供できる。
航空貨物のフォワーダーは、わが国では利用航空運送事業者あるいは航空貨物混載業者などの名称で呼ばれる。航空フォワーダーは元来、鉄道の地上輸送にならったもので航空分野への出現は1945~46年のアメリカである。