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環境に良いは数値化できる?

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このブログでも何度かお話ししておりますが、いま化石燃料による温暖化を防ぐために、環境にやさしい活動を企業がどんどん選択しています。いわゆるカーボンニュートラルという考え方ですが、自動車産業の電化などが代表的な活動となっています。世界が大きな変化を遂げようとしている中でも、実際に日々の生活で私たちが感じることや、個々の企業が実際にしなければならないことなど、あまり実感はないかもしれません。むしろ中小企業では、環境と聞くと高コストで直接収益に繋がらない投資も多く、避けて通ることも多いと思います。ただ、このわかり難い環境というキーワードに対して、少しでも変化を感じることができるようにするために、また各企業が環境に配慮してどう活動すべきかなどわかるために、その行動を数値化しようという試みがされています。「環境会計」という考え方です。今回は、今後物流でも非常に重要なテーマになるであろう環境問題について、その数値化のカギとなる「環境会計」という用語についてお話ししたいと思います。

   

環境関連の様々な政策は、国が環境省という省で取り仕切っていますが、その環境省が定義する環境会計の定義は、以下の通りです。「環境会計とは、企業等が、持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ、環境保全への取組を効率的かつ効果的に推進していくことを目的として、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組みです。」 特に難しく感じてしまう「環境保全」とは、事業活動その他の人の活動に伴って環境に加えられる影響であって、環境の良好な状態を維持する上での支障の原因となるおそれのあるもの(環境負荷)の発生の防止、抑制又は回避、影響の除去、発生した被害の回復又はこれらに関連する取組を言います。もっと簡単に表すと、「環境に良いことを実践するために、どれだけ投資したか、その投資がどれだけ効果があったのか、その活動内容も含めて数値化してください。」ということになると思います。

   

たとえば、物流の分野でもっともわかりやすい環境対策は、前述の「CO2(二酸化炭素)の削減」が上げられると思いますが、企業が実施したCO2(二酸化炭素)の削減についての環境会計だと、「どれくらいのコストがかかったのか」「どれくらい削減できたか」を金額やkgで表します。ちなみに、CO2削減は、企業にとって非常に有利な補助金や助成金を得ることができ、そもそも企業の生産性や、燃料費や光熱費の削減に繋がることから、積極的に取り組む企業は多いと言えます。ただ、環境保全の観点で、選択しなければならない判断が、実際に自分たちにとってコスト高になるような事例も多くあります。例えば、消費者にとってのレジ袋の有料化などはその典型で、結局コストを自分たちが被らないといけないと、釈然としない感覚を持たれるのではないでしょうか。

   

実際の企業の活動でも、同じことが言えます。価格転嫁できない、生産性向上に繋がらない、コスト削減に繋がらないなど、自社の利益に寄与できない環境保全施策は、なかなか選択できない企業も多いのが現状です。ただ、社会的な視点で考えた場合、例えば公害などもその一例ですが、利益を得るためなら何をしてもいいという考え方にならないのと同様、環境保全による良い影響を明確に数値化して共有することで、この釈然としない感覚を取り除きたいと環境省は考えています。その最も有効な方法が環境会計といえるのです。

   

次回は、この環境会計について、事例なども使いながら具体的に説明したいと思います。今回のこの環境会計という考え方は、まずは環境保全というインプットに対して、いつものように、様々な目線で阪南倉庫がどのように考えるかが問われています。お客様目線の環境保全、従業員目線の環境保全、商品目線の環境保全、未来目線での環境保全、一度じっくりと考えてみたいと思います。

   

   

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