私が社長に就任して5年が過ぎましたが、就任後すぐに着手したことに会社のビジョンマップの制作がありました。会社の社会的意義(ミッション)、事業価値(バリュー)、そして進むべき姿(ビジョン)を、これからの阪南倉庫を支える35歳以下の社員限定でプロジェクトを立ち上げ作成しました。実はこの同じような作業を、阪南倉庫が物流受託業務を行うきっかけになった現在の汐見第1センターを立ち上げた時にも行っています。阪南倉庫史上、過去最大級の物流センターを設計する時に、しっかりと基本コンセプトを構築しようということになり、お客様と一体となって作り上げました。それが阪南倉庫で働く人間なら必ず一回聞いたことがあるコンセプト、「5ない主義(持たせない・待たせない・考えさせない・歩かせない・探させない)」です。この考え方は、シンプルで素晴らしいコンセプトであり、今に至っても管理者ならば必ず暗唱できるほどです。ただ、コンセプトを作ってから30年過ぎた時に、行き過ぎた5ない主義は、固定概念を生み出して、変化に強い組織を作れないのではないかという疑念も生まれています。例えば「考えさせない」は、新しく入った社員にとって、作業そのものの意味を考えず、ただ作業をこなす原因になっているのではないかなどです。
そこで、今回新しく考えたビジョンである「多様な仕事を設計する倉庫」の中でも、プロフェッショナルな仕事、つまり様々な目線(お客様目線、従業員目線、商品目線、未来目線)で仕事を設計・実行することと、5ない主義を合わせて、ここに新5ない主義を提唱したいと思います。
持たせない
顧客目線:お客様はもちろん関わる多くの人や会社と情報を共有し個別に情報を持たせない(情報化)
従業員目線:特定の作業者、管理者だけに仕事を持たせない(標準化)
商品目線:できるだけ安全安心で流れるように商品を手で持たせない(自動化)
未来目線:今までのやり方にこだわる固定概念を持たせない(変革発想)
待たせない
顧客目線:お客様と取り決めたルールを守り商品受け取りを待たせない(納品管理)
従業員目線:一人一人が自分の仕事を理解しお互い作業を待たせない(工程管理)
商品目線:商品をスムーズに流して待たせない。(作業進捗管理)
未来目線:今できる課題の解決を常に考え業務改善を待たせない。(改善活動)
考えさせない
顧客目線:お客様とのサービス内容を事前に合意し、取引時には考えさせない(合意書作成)
従業員目線:作業指示をわかり易く、初めての人でも考えさせない(簡素化)
商品目線:商品の基礎情報を整備し商品マスタを考えさせない(物流マスタ情報管理)
未来目線:業務を設計し共有することで個人の直感だけで考えさせない(物流設計)
探させない
顧客目線:お客様に商品を探させない(在庫の見える化)
従業員目線:作業者に仕事を探させない(適切な作業指示管理)
商品目線:商品がどこにあるのか探させない(適正に合わせたロケーション管理)
未来目線:常に新しい技術を研究し知識を更新することで業務改善時に最新技術を探させない(最先端技術の研究)
歩かせない
顧客目線:お客様を右往左往と歩かせない(総合的な物流提案)
従業員目線:作業内容やレイアウトを工夫しできるだけ歩かせない(生産性向上)
商品目線:商品が頻繁にあちこち移動や転送などで歩かせない(在庫バランス管理)
未来目線:会社内外の繋がりとチームワークを意識し独りぼっちで歩かせない(しなやかで楽しい組織作り)
30年以上大切に守り続けたコンセプトである5ない主義。今回新しく5ない主義を提唱し、いま改めて阪南倉庫で働く皆さん自身が大切にしたい5ない主義はこれだと意識して頂くことで、阪南倉庫のこれからの30年を一緒に築いていきたいと思っています。
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