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10年先を考えると準備するべき事柄

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日々生活しているといろいろな情報に触れると思いますが、環境問題や地球温暖化対策とか、二酸化炭素排出量削減という言葉を聞くことが最近増えていると思います。南の島が水没しそうだとか、氷河が溶けて大変だとか、異常気象になっているとか、直接自分に関係あるのかないのかわからないことも多く、あまり意識されている人はいないのではないでしょうか。ただ、環境問題について、国同士の取り決めでは、1997年に日本の京都で採択された「京都議定書」を皮切りに、直近では2015年にパリで採択された「パリ協定」など、継続的に議論されるようになっています。外務省が発表しているパリ協定の概要は以下の通りです。

   

・世界共通の長期目標として2℃目標の設定。1.5℃に抑える努力を追求すること。

・主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること。

全ての国が共通かつ柔軟な方法で実施状況を報告し,レビューを受けること。

適応の長期目標の設定,各国の適応計画プロセスや行動の実施,適応報告書の提出と定期的更新。

イノベーションの重要性の位置付け。

・5年ごとに世界全体としての実施状況を検討する仕組み(グローバル・ストックテイク)。

先進国による資金の提供。これに加えて,途上国も自主的に資金を提供すること。

・二国間クレジット制度(JCM)も含めた市場メカニズムの活用

   

この概要を見ても、少し難しい言葉が多く、わかり難いかもしれませんが、また追々用語の説明をさせて頂くとして、国際情勢ではかなり真剣に環境問題に取り組むんだということをご理解頂ければ良いかと思います。

   

このような変化に合わせて、海外の敏感な企業はすでに反応しています。例えば、若者カジュアルウェア会社のA社は、アメリカ・ニューヨークの、流行の最先端エリアであるソーホー地区に旗艦店舗を持っています。この会社は環境に配慮したものづくりで若者を中心に支持を集め、今最も注目を集めるブランドの一つとなっています。靴や衣類に産地が明確な羊毛やサトウキビなどの天然素材を使用し、生産にかかる二酸化炭素排出量をタグに明記しています。環境や自然に優しいというコンセプトと、それが数値として見える形で表示されていることなど、機能性を重視したシンプルなデザインで若い世代を中心に広く支持されており、世界規模で店舗展開しています。日本にもすでに原宿と丸の内の2カ所に出店しており、2016年創業ながら、企業価値(会社が動かせるお金)が1000億円以上あるといわれています。

   

この事例で我々が意識しないといけないことは、環境をキーワードにしたビジネスモデルとか、カーボンニュートラル(脱炭素社会)など横文字の用語の理解ではありません。いま世界で起こっている流れは、素材やエネルギーなどこれまで石油に頼った社会からの変化であり、いわばエネルギー革命という大きな潮流なのです。エネルギー革命と言われるとちょっと大げさに感じるかもしれませんが、簡単に言うと木などを燃やして発展した時代を第一次エネルギー革命といい、日本では江戸時代までがこの時代でした。そのことから、木を取り扱う人は、エネルギーと素材を両方扱える商売人で、非常に強い力をもっていました。いまでも古くから木材を取り扱う会社が存在し、現代人は林業のイメージを持たれるかもしれませんが、その時代はエネルギー会社として隆盛を極めていたのです。次のエネルギー革命は、石炭と蒸気機関です。基本的に自然エネルギーを効率的に使う時代から、熱エネルギーから蒸気を使った運動エネルギーに転換することで、素材の加工、大量生産、大量移動が可能になり社会が大きく変化しました。さらに第三次エネルギー革命が、現在も続く石油と電気によるエネルギー革命です。

   

さて、最初にお話した環境問題から、世界が取り組んでいる方向性や新しいビジネスの形まで、具体的な事例でお話しました。さらに、この流れは次のエネルギー革命(つまり第四次エネルギー革命)に繋がっていますよというお話をしましたが、ではこの変化は物流業界にどのような影響を与えるでしょうか。次回のブログはその点について、過去のエネルギー革命と物流の変化も含めて、詳しく事例を交えながらお話したいと思います。

   

   

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