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決まった書類をつくることで円滑な物流業務が可能になる

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当社のような物流業者が、お客様と長いお付き合いをするためには、お客様から受ける物流業務について、より良くする努力が必要となってきます。そのより良くする努力、つまり業務の合理化をするためには、まずは今の業務がどうなっているのかを正確に把握することが重要になります。 そもそもお客様とお取り引きする時に、「このような業務についてお願いしたい」という約束をします。これを一般的に「契約書」といいます。ただ一般的な契約書は、契約の目的(どのような作業をお願いし、その対価を支払うか)、業務の責任(作業の責任・保険など商品の責任・協力先の責任など)、業務の情報管理(業務情報のやり取りのルールや情報の機密管理について)、禁止事項の取り決め、契約解除の取り決め、契約期間などが書かれています。

   

実は、倉庫事業者を所轄する国土交通省は、物流業務を行う上でのルールを基本書式「標準倉庫寄託約款」として示しており、多くの倉庫会社がその書式を参考にして基本契約書をお客様と締結しているのです。阪南倉庫は、この基本契約書に加えて、実際にどのような業務の流れで作業を行うかを細かく記した「業務実施協定書」を作成しています。その協定書に付随する書類として、業務における異常が発生した場合の規約「異常処理協定書」、情報交換や管理についての規約「電子計算機情報交換に関わる情報の取扱いと機密保持についての覚書」、そして定期的な業務改善や業務の合理化を実現するための運営体制の規約「物流改善運営委員会要綱」を明記することにより、お客様にとって安心・安全な取引を実現しています。

   

さて、今回のブログでも最初に書いた「長いお付き合い」を前提にした「物流業務の合理化」を実現するためには、いま記した契約書で十分でしょうか?多くの物流事業者はいままで、「とにかくお客様の為にがんばります」といった漠然とした姿勢でしか、お客様満足に応えることができないというジレンマに陥っていました。特に、物流というお客様の様々な経営活動の根幹となる業務では、生産の課題・販売の課題・経理の課題に応えつつ、契約された業務ができて当たり前、少しのミスが大問題となってしまいます。健全な物流業務運用をお客様に約束するために、なにか明確な基準を決めて、それらを継続的に測定し、数値化・定量化して報告することがポイントとなります。 そのために特に重要な手法が、よくISOや業務改善などで使われるPDCA(計画:Plan→ 実行:Do→ 確認:Check→ 改善:Action)の管理手法です。今ある仕事をしっかりと理解した上で、さらに進化していくためには、わかり易い目標つまり数値化・定量化が必要です。その目標をクリアするために先ずは計画の設計が重要になります。さらに、その計画に基づき行動し、その 行動が正しいか確認する。そこで改善する点があれば、改善し、計画する。この努力し続ける仕組みが、本当の意味での顧客満足に繋がるのです。

   

ただ、このようなPDCAの形も、お客様毎に経営の課題や方針が違うことで、どのように進めればいいのか、迷ってしまうことも多いのが実際です。ここで、先の契約書でも国土交通省が定めていたような定型の書式を作ったように、業務を受けるプロフェッショナルの事業者としてPDCA活動にも定型書類を作る必要がでてきます。例えば、お客様とのサービスを明確化するためのSLA(Service Level Agreement:サービス水準合意書)、さらにお客様と取り決めたサービスをどのような体制で遂行するのかを明確化する定型書類として、「業務フロー」「業務別人員配置表」「業務レイアウト図」「作業手順書」など、こういった書類を準備することで、契約から一歩進んでお客様との関係を作ることが可能になります。次回は、これらの書式について詳しく説明したいと思います。

   

   

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