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グローバル時代の貿易港はサービスが重要

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「今も昔も、大量の輸送を考えるときに最初に選ばれる手段は船である。技術の進歩とともに船はどんどん大型化し、輸送容器(大型コンテナ容器による輸送:コンテナリゼーション)も進化し、その大型の船を迅速に迎え入れることが出来る港が優先されるようになっている。40年前と比較すると20倍以上の物量を処理できる港のみが世界の物流を管理できる港として運用されており、日本の港はどちらかというと届先の1つになってしまっている。」このようなショッキングな見解を、当社が東京でコンテナ輸送をお願いしているパートナーの高取ロジスティクス(https://www.takatori.tokyo/)の専務取締役高取様からお話し頂きました。今回は、高取様から伺った船の港の課題などのお話しを交えて、船の港の機能や役割についてお話ししたいと思います。

   

そもそも船の港の機能ってどんなことが求められるの?と普通に質問しても、なかなかわからない人が多いと思います。もう少しわかりやすく説明するために、多くの人が使ったことがある施設、飛行機の港である空港と比較するとわかりやすいかもしれません。空港から海外へ出発 するときは、購入した飛行機チケットをもって、空港のチェックインカウンターに向かいます。そこでパスポートとチケットを渡して搭乗手続きを行い大きな荷物を渡します。搭乗手続きが終わったら、まずは保安検査そのあと出国審査の手続きとなります。すべての手続きが終わったら、飛行機に乗り込むために指定された搭乗口に向かいます。これが海外旅行するときの出国手続きですが、帰ってくるときはその逆になります。簡単に言うとこの空港での出国手続きが船の港の輸出手続き、入国手続きが輸入手続きになります。

   

空港と船の港の類似性をある程度想像頂いた上で、いま船の港で課題となっていることを空港に置き換えるとどうなるかお話ししたいと思います。いま一番大きな問題になっているのが、船の港エリアの大渋滞問題です。今回写真でも掲載しましたが、船の港エリアの道路は、コンテナを運ぶためのトラックで埋め尽くされています。コンテナに格納された商品を取りに行くために船の港の受け取り場所に向かう訳ですが、実際に受け取るまでに一日並ぶこともあるそうです。想像してみてください。海外旅行から帰ってきて、荷物を受け取ろうと受取所のターンテーブルに向かったらものすごい行列ができていて、一日待ってから受け取る・・・。こんな文章を書いていても悲しい気持ちになってしまうそんな状況が日々船の港では発生しているのです。なぜこのようなことが起こってしまうのか、これも空港を例にお話しいたします。

   

そもそも空港では出発地で荷物を預かるのも、飛行機に格納するのも、帰国地で搬出するのも、空港の施設を借りて、同じ航空会社の皆さんが対応しています。この航空会社を選んだお客様は、長時間荷物が受け取れない会社や、紛失してしまうような会社があった場合、この会社は選ばなくなるので、航空会社はサービス向上のため一生懸命努力しています。サービスを受ける人とサービスを提供する人の関係性が非常に明確と言えます。一方船の港の場合、出発地で荷物を積む会社、荷物を船で運ぶ会社、荷物を港で降ろす会社、お客様まで荷物を届ける会社、すべてが別の会社になっています。お客様が商品を輸入する場合の手続きをする会社も別にある場合も多いですので、サービスを受ける側とサービスを提供する側がバラバラになってしまっています。実際に輸入して商品を受け取るお客様は、コンテナ受け取りにどれぐらい時間が必要で、どれぐらい大変な労力で商品の入ったコンテナを船の港で引き取っているのかほとんど知らないばかりか、それぞれのサービス会社がそれぞれの範囲で努力しているので、逆に不便さを感じていない状況とも言えるのです。

   

そこで、高取様のお話に戻ります。国際的な船の港は、大きな船で大量の商品を一度に扱える港であることが重要になる上に、今お話しした使う人が便利だと思えるサービスも充実していることも重要になります。誰に向けたどんなサービスが求められているのか、そのサービスをしっかりと考えないと、これからの日本は経済活動も発展できないのではないか、そんな危機感を抱かせて頂いた非常に有意義な情報交換になりました。

   

    

   

   

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