社長ブログ BLOG
全国規模の会社と競合になったときに
平成10年前後、阪南倉庫はお取引しているお客様や業界に偏りがあり、その是正のために積極的に新規お客様の営業を仕掛けていました。この頃システム開発会社の子会社イズネットも設立され、お客様にとって最適な物流の提案をすべく数々の物流コンペティションに参加し、システムと一体となった提案書を作成しました。実はこのタイミングは大手企業が自社物流子会社のあり方を見直し、自社比率を下げる（外注比率を上げる）努力をしている時期と重なり、物流業界で大変激しい競争が繰り広げられていました。実際のこのような業者選定で重要視されることは、①コストメリット、②サービスの基本的な条件、③会社規模（売上や倉庫拠点数）、④業務対応力、⑤継続的な提案力などが挙げられます。実際にその時に業務・営業・システムが一体となって努力した結果、大手の物流子会社に負けない提案を作れていたと思うのですが、実際は勝率が３割から４割くらいでした。その一番の原因は、③の会社規模で負けていたためでした。この頃まだまだ物流の外注化が進んでおらず、選定しなければならないお客様も、「同じ頼むなら大手のほうが信頼できる。」「関東方面に拠点がない倉庫会社とは取引できない。」など、どちらかというと規模を見て判断することが多く、阪南倉庫がその時点で解決できないため、営業面で悩んでいた時期でした。
そんなときに倉庫協会の会合でお隣になった東京足立区の太成倉庫株式会社（http://www.taisei-warehouse.co.jp）代表取締役社長鈴木様と、今悩んでいることも含めてお話させて頂きました。会食をはさんでお話しましたので、合計２時間近くお話させて頂きましたが、私の話をしっかりと受け止めて頂いた上で、アドバイス頂いたことは、「同業で若手経営者が集まる全国組織の会があるので、その会に参加してはどうか。」というものでした。興味があるのなら推薦するよと気さくなお言葉を頂いたので、ぜひと返答すると、なんと３日も待たずに申込書が、しかもすべて記入済で判子を押すだけの状態で送られてきました(笑)。その会が倉庫業青年経営者協議会（http://www.souseikyo.com）、略して倉青協です。倉青協には、今も参加しているのですが、会員数１４４名でほぼ日本全国を網羅した大きな組織です。「勉強と親睦」を理念に、しっかりと物流について研究し、そして会員の皆様と個人的にも親睦を深める、そのような会でした。
倉青協に入会後、私は悩み解決のために積極的に倉青協に参加し、全国の同業の皆様と物流の研究と交流に努めました。倉青協でまず感じたことは、会員間の壁がほとんどないことでした。仕事のことも、プライベートも、思う存分自分をさらけ出せる仲間に出会えたことに非常に驚きました。一般的な企業の交流会では、自社の成功体験しか話さない、謙遜して何も話さない…。自分が本当に知りたい情報を得るのは非常に難しいです。しかし、ここでは、他メンバーに自分の悩みや会社の課題を話すと、「ウチはこう解決した」など、まるで自分のことのように親身になってアドバイスを頂けました。お互いの会社の理念や社風、業務体制やシステム構成、倉庫規模や得意業務など徐々に他メンバーの会社を知り、また経営者を知ることによって、各社と連携・協力できるところがあればすぐに実施して、業務連携を実現できました。倉青協に参加することで課題解決の糸口を見つけたいと思っていましたが、実は倉青協で特別な仲間をつくることで、業者選定で負けていた原因の「会社の規模」や「遠隔拠点の問題」を解決できるようになっていました。
先日、私が悩んでいた頃に大変お世話になった倉青協第１６代会長の福玉精穀倉庫株式会社（http://www.fukutama.co.jp）代表取締役社長社本様とその時に運営委員長として活躍された生川倉庫株式会社（http://www.narukawa.co.jp）代表取締役社長生川様とご一緒する機会がありました。コロナ禍で人との繋がりが非常に希薄になりがちな時に、自分自身が悩んでいた時代の大切な先輩方とお会いすることで、非常に前向きな気持ちになることができました。これからの時代に、倉庫業者が求められる姿を追い求めて、倉青協に参加することで出会った理念を共有できる仲間と繋がることで、お客様にとってベストの選択を提案できるように、これからも努力していきたいと思います。
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