このブログでお話ししましたが、2021年に物流に関してこのように変化しますよと国(管轄省庁である国土交通省)が記した方針の概要が発表されています。このような発表は大体5年に一回、新たな方針を加えて発表されるのですが、今回のこの方針がかなり変化に富んだ内容だったことは、前回のブログでも書かせて頂きました。これまでは、物流事業者の立場で、現在どのような課題があり、その課題に対して国がどのようにサポートするのかという考え方で施策が講じられていました。これに対して、2021年に策定された方針は、むしろ国としてどうあるべきか、その方向性を強く示すもので、物流に関連する事業者を支援する体制というよりは、むしろ日本で活動しているすべての業種の事業者や、国家間のやり取りなど、日本の物流がどのようにあるべきなのかという大きな方針について書かれたものでした。参考までに前にも記しましたが、その方針の概要が以下の通りです。
①物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化
⇒(簡素で滑らかな物流)
(1)物流デジタル化の強力な推進
(2)労働力不足や非接触・非対面型の物流に資する自動化・機械化の取り組み推進
(3)物流標準化の取り組み加速
(4)物流・商流データ基盤など
(5)高度物流人材の育成・確保
②労働力不足対策と物流構造改革の推進
⇒(担い手にやさしい物流)
(1)トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備
(2)内航海運の安定的輸送の確保に向けた取り組みの推進
(3)労働生産性の改善に向けた革新的な取り組みの推進
(4)農林水産物・食品などの流通合理化
(5)過疎地域におけるラストワンマイル配送の持続可能性の確保
(6)新たな労働力の確保に向けた対策
(7)物流に関する広報の強化
③強靭で持続可能な物流ネットワークの構築
⇒(強くてしなやかな物流)
(1)感染症や大規模災害など有事においても機能する、強靭で持続可能な物流ネットワーク
(2)我が国産業の国際競争力や持続可能な成長に資する物流ネットワーク構築
(3)地球環境の持続可能性を確保するための物流ネットワークの構築(カーボンニュートラルの実現など)
この方針が立てられてから1年が経とうとしています。今までにないことですが、今回のこの方針には上記の目標に対して具体的な数値目標が設定されています。さらに、今年の秋に発表されたのですが、物流に関わる国の組織改編です。阪南倉庫のような倉庫事業者が国の方針を知る場合、倉庫協会などの業界団体経由で、国土交通省の物流政策審議官部門に置かれた「物流政策課」から発信された情報を得ています。この物流政策課が、トラック輸送行政を担当する自動車局貨物課と同じ局に移動し、自動車・物流局として、組織改正されることが決定しています。これは、国が今までの業種や業態毎のサポートをする役割だけではなく、物流が社会を構成する機能と捉えて、どのように生産性を上げつつ、効率的な物流ネットワークを設計していくのかを、本腰をいれて考えていくことを表しています。「多様な仕事を設計する倉庫」をビジョンとしている阪南倉庫も、この国の方向性に対して明確なアクションを起こす必要があるのです。
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