生物体で動脈に対して静脈という言葉を使って諸器官から出て心臓に戻る静脈血の流れに例えて、産業界において生産され、使用された後に回収され、再利用される物の流れに関する諸活動を静脈物流という。これをリバース・ロジスティクスともいい、動脈と静脈を合わせて考慮する時代の到来を循環型社会と呼ぶ。伝統的なロジスティクスでは正の物の流れのみを扱ってきたが、やがて資源の有効利用などが重視されて、リサイクル(再資源化)を加えて廃棄物のリデュース(発生抑制)、リユース(再利用)などの流れが表面に出てきた。コンピュータや家電製品の回収が義務付けられ、そのための輸送、保管、加工などの拠点が静脈物流の一環として導入された。出版物や通信販売における返品も静脈物流の一種として扱われる。
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