前回のブログでもお話ししましたが、長年お世話になった倉庫業青年経営者協議会(https://www.souseikyo.com/)を今年6月に卒業するにあたり、お世話になった先輩をお尋ねする機会を積極的に作っております。今回は、19年前に私が入会してすぐに会長になられた川崎陸送(https://www.krt.tokyo/)代表取締役社長の樋口恵一様を訪問させて頂きました。前回も少しお話ししましたが、私が入会した2003年に、第100回記念の福岡全体会が開催されました。このとき樋口様が「環境規制が倉庫業にもたらす影響について」というこれからの物流政策の潮流となるテーマについて、特別講演されていました。川崎陸送様の事業所の様々な数値を開示されて、今後の環境規制のポイントになる3R(リサイクル・リユース・リデュース)や二酸化炭素削減の方向性、また物流活動で排出する二酸化炭素の算定方法など、非常に具体的なお話を頂いた記憶があります。2005年に、今後の物流業界を活性化する大きなきっかけになった「物流総合効率化法」という法律が施行されるのですが、まさにこの時にお話し頂いたことが関連した法案で、驚いたのを覚えています。
実は、樋口様が会長の時に始まって、いまでも倉青協で定番になっている行事があります。「企業交流会」という活動です。倉青協は、もともと会員経営者のための会で、会員経営者間では会の素晴らしさを認識できていましたが、会社での倉青協の認知度が低く、一部の会員の中では会に参加しづらくなっていました。これを打開するために樋口様が考えられた企画が企業交流会で、会員だけではなく会員企業の社員の皆様も参加できる企画でした。記念すべき初回の企業交流員会は、事例を基に解決策を研究するケーススタディーと呼ばれる勉強会で、本来なら社員の皆様が参加すべき会ですが、空気を読まずに(笑)自分自身が参加し、社員の人に紛れて発表したことを思い出します。企業交流会はその後18年の間で、会員企業間の倉庫見学会、各社事例研究会、機械設備などの導入事例研究会、営業や業務、システムなど部門ごとの課題の共有など進化しており、現在の倉青協ならではのメイン企画の一つとなっております。
樋口様との思い出でもう一つ上げさせて頂くと、実は当社の基幹倉庫では、停電など非常時に発電できる発電機を導入しているのですが、その発電機の購入先をご紹介頂いたのが樋口様でした。阪南倉庫が発電機の導入を実施したのは、2011年に発生した東日本大震災以降の2012年です。東日本大震災では、被災地に様々な物資を供給するときに、自社が被災している中でも多くの企業が協力を惜しまなかったのですが、実際には停電している施設も多く大変苦労されたようです。そのことを受けて、国から災害時の支援体制を確立するために災害時の物流拠点に協力する企業には発電機や衛星電話など緊急対策機器の導入に補助頂けることとなり、倉青協でも多くの企業が災害対策拠点として名乗りを上げました。その時、発電機の価格が非常に高く、補助がでたとしてもかなり大きな投資になるところを、樋口様が海外製の安い発電機を導入されて、倉青協のメンバーにそのメーカーをご紹介頂けました。実際に当社でも、補助の対象施設は1拠点のみでしたが、価格的にも国産の半分以下の価格で導入が可能なことから、3拠点で導入し、2018年に発生した台風21号の直撃による停電時にフル稼働で活躍。早期の災害復旧に役立ちました。
今回、樋口様を訪問した際に、台風21号の復旧対策のお話しや、コロナ禍での対策などの事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)についてお話しいたしました。樋口様は、社内でも先進的にBCPを対応されており、倉青協でも何度もご講演頂いております。「とにかくすぐに行動すること。日ごろから訓練を欠かさないこと。訓練は、実際の環境を想定して厳しい条件を課すこと」など、非常にためになることが多く、当社もその考え方を継承していたからこそ、台風21号では非常に迅速な復旧が可能となり、大変な中でもお客様の信頼を高めることができました。改めて心から感謝いたします。また私自身も何歳になっても学ぶ姿勢を忘れないように努力したいと思います。
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