阪南倉庫は、今年で創業107年目となり100年以上続く会社ですが、なぜ長く続いたのでしょうか。ある調査機関の情報では、日本に創業100年以上の企業は3万3076社もあり、世界の創業100年以上の企業の総数8万66社の41..3%で断トツの世界一です。図1にあるように、2位は米国の1万9497社(24.4%)、3位にスウェーデンの1万3997社(17.5%)が続きます。さらに創業200年まで絞ると1位は変わらず日本の1340社ですが、比率は2051社中65.0%まで上昇します。2位は同じく米国の239社(11.6%)、3位はドイツの201社(9.8%)、4位は英国の83社(4.0%)となりました。
※企業特定の条件は以下の通り。企業活動ステータス=活動中。法人形態=事業所、公的機関、外国企業、宗教法人、小中高校を除く。所在地、売上高(年商100万円以上)情報が収録されている企業
※記載する創業年数は、企業および団体の設立年から業歴を算出
※公表除外国(データ信ぴょう性が疑われる国)=デンマーク、ケニア、コロンビア、南アフリカ、北マケドニア
※出典=帝国データバンク、ビューロー・ヴァン・ダイク社のorbisの企業情報(2019年10月調査)を基に作成
実際に世界的に見ても、長寿企業が圧倒的に多い、日本企業の事業が継続する理由はなんなのでしょうか。経済産業省が立ち上げた持続可能な開発目標を設定するための委員会でも、多くの経営者の方は、“会社が世のため人のために存在するという考え方は、日本では「三方良し」の精神や、渋沢栄一の道徳経済合一説において見て取られる。日本企業は古くから社会課題を捉えて成長を実現してきた”と言われ、社会に必要とされているからこそ、長い年月事業を継続できたと主張されています。今までもこのブログで、何度か言葉として使ってきました持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)つまりSDGsについて、今回は改めて、用語集として数回にわたってお話しし、日本型の経営の考え方について、考えたいと思います。
外務省によると、「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。」と定義しています。17のゴールは、図3の通りです。
図3 SDGs 17のゴール(目標)
これらは、外務省が最初に定義したことでもわかるように、国家間交渉も含む外交内容でしたが、日本国内の持続可能な開発目標を設定するためにも、就労者にとっての社会である国内企業で、この概念を当てはめる必要がありました。そのため、企業の経済活動を支える経済産業省が主体となり、SDGs経営ガイドを2019年に作成し、浸透させています。これから数回に分けて、実際のSDGsの取り組み内容についてお話しし、SDGsについての理解を深めたいと思います。
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