8月30日から3回連続で事例も織り交ぜながら、より具体的なイメージをしやすい形で環境問題についてお話ししてきました。前回のブログの最後に、第4次エネルギー革命の変化の真っ只中に、倉庫会社を含む、物流会社が何をしなければならないのか、業界全体として問い続けたいとお話ししました。そんなことをお話しした直後に、当社がお取引している日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/)の堺支店支店長、下田様とお話しする機会があり、環境問題についてもお話しする機会がありましたので、今回はそのことを含めて、行動録としてお話ししたいと思います。
多くの金融機関の御会社がある中で、今回おいで頂いた日本政策金融公庫様は「政策金融の的確な実施」を理念に経営されています。つまり、国がこれからの時代に、このように進みますよという方針(政策)を示したときに、その方針実現を支援する御会社です。例えば、自動化とか情報化を進めてくださいよと政策が決まったときに、その機械やシステムの投資にご協力頂いたり、コロナ禍で苦しんでいる企業を支援しなさいと政策が決まったときに、長期的な資金面の支援や雇用維持にご協力頂いたりなどがこれにあたります。今回も、コロナ禍の大きな変化に合わせて、情報交換をさせて頂きました。ずばり下田様から頂いたご質問は非常に簡潔で力強いものでした。「この大きな変化の時代に、阪南倉庫はどこに向かって進もうとされていますか?」ということ。これに対して私は、最近作成した阪南倉庫PR動画(https://www.youtube.com/watch?v=iOIsCKCUWGg&t=10s)を見て頂いた後、阪南倉庫のミッション、バリュー、ビジョンについて説明しました。大きな変化の時には、今できることを一生懸命にやり続けることが大切ですが、一方で努力している一人一人が自分の進む方向を理解していないと大きな力になりません。その方向性を示すための ミッション、バリュー、ビジョン について説明し、これらは特に私が頻繁に会話する管理者ではなく、入社5年以内の人たちに向けての大切なメッセージになり、ギャップを埋める手助けになることを説明しました。会社全体が良くなるためには、会社で働く人が生きがいを持って働けること、そして一人一人が成長するために自分なりの目標を持つこと、また上司は自分ができるからと言って部下にもできるだろうと思わず、部下の部下なりの成長を我慢強く見守る、そんな組織づくりができるように努力していると伝えました。また、教育の一環として、標準化された手順や、定型の書類、管理手法を活用し、その組織に属するだけで、自然とプロフェッショナルな仕事を覚えることができる仕組みを考えていることをお話しし、お客様としっかり会話できる人づくりを目指していることをお話ししました。
そのほか、業界の動向や、お得意様、お取引先様との取り組みについて、多岐にわたってお話ししましたが、さらにこれからの時代の大きな変化の一つである「カーボンニュートラル」についても質問がありました。カーボンニュートラルというのは、排出するCO2の量に対して、削減や除去することもしくはその活動に協力することで、トータルでプラスマイナスをゼロにすることを言います。極論で言うと現在日本の基礎エネルギーの60%を占めている化石燃料(石炭や石油)を使う分だけ、CO2を削減や除去することをいい、産業そのものを大きく変える考え方になります。下田様のご質問は「カーボンニュートラルにどのように対応されますか?」というものでした。これはちょうど前回までのブログで、ここに至るまでの経緯を考察していましたので、国が2050年までに達成することを目標に置いていることを分かっていましたし、また国の政策実現を理念においている御会社として当然のご質問だと思いました。国の目標の実現のためには、中小企業も含めて規模の大小関わらず「カーボンニュートラル」というテーマに対して、何らかの活動をしていかなければなりません。ただ、あまりに大きすぎるテーマは、今しなければいけないこと、具体的に今できることを示してくれません。その点では、物流、特に倉庫会社は、お客様の仕入れ先様の情報、お客様の商品の情報、運送会社などの取引先様の情報、出荷先である得意先様の情報を集積し、管理しています。これらの情報と環境問題は、繋がっており、それらを分析することで現状の数値的な立ち位置を示すことができます。当社の基本方針は、これらの情報を駆使して、お客様の見えにくい環境数値を見えるようにして、カーボンニュートラルの考え方をお客様の日常にすることであると説明いたしました。日本政策金融公庫の皆様においで頂き、改めて自社の方向性の確認ができたこと、本当に幸せに思います。
ここ何回かにわたって、環境問題をキーワードにして、事例集と行動録という形でお話ししてきましたが、改めて感じたことは、歴史的な出来事を体験していても、人は日常に埋もれてしまうとその大変な状況を感じる力が弱くなっているということです。第1次から始まったエネルギー革命も、さなかにいた人たちは、そこまで革命的な変化と感じていなかったのではないでしょうか。では、今回のカーボンニュートラルも含んだ、第4次エネルギー革命はどうでしょうか。阪南倉庫という会社の継続を考えると、「今まで」ではなく、「これから」を選択する必要が強くあります。環境問題は、「今まで」を考える会社には大きなリスクですが、「これから」を考える会社には、成長するための大事なキーワードになるのではないでしょうか。
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