仕事をするときでも、私的な予定でも、そのことを楽しんで積極的に行うために必要なものはなんでしょうか?「なぜこの仕事を始めるようになったのか。」「この予定はなぜ入れたのか。」その目的や動機がはっきりしている行動には、やる気が満ち溢れるのではないでしょうか。今回は、このやる気スイッチ、つまりモチベーション管理について、事例研究したいと思います。モチベーション管理が非常に重視されるようになった背景として、日本においても労働生産性という考え方が浸透し、国際競争力を高めるために日本の労働生産性をどのように高めるのかが議論されるようになっています。その環境のもと、各企業が生き残るために低い生産性からの脱却や根本的な構造改革を目指し始めた結果、企業が「よりパフォーマンスの高い人材」を、そして従業員は「より自分の市場価値を高められるステージ」をお互いに求めあう「相互選択的な関係」に急速に変わり始めました。昨今の人材の流動化は、まさに両者の関係の変質を物語っているといえます。より良い人材を企業が確保するために、その人材が企業に所属することにより能力を向上できる環境、つまり「金」や「ポスト」に頼らない「モチベーションマネジメント」を実践する必要が生まれたのです。では、そのモチベーションというのは具体的に何を指すのか、まずはその点に説明したいと思います。
モチベーションを向上させるもの=報酬(ただし、お金やポストに限らないもの)という定義とすると、どのような報酬を提供すればモチベーションを喚起することができるか。例えば、あるゲームソフト製作会社A社では、ポストよりも開発環境の改善、向上を望む声が圧倒的に多く、クリエーターたちにとっては、若干の給与アップよりも開発マシンやソフトのバージョンアップこそが、大きな「報酬」だということが明確となりました。また、あるコンサルティング会社B社では、自分自身の技能を高められるプロジェクトへの参画が、報酬として大きな意味を持つことが明らかになりました。コンサルタントという職種が自分自身の「市場価値の向上」に敏感な傾向が強いことがこのような結果につながったのでしょう。また、別のアパレル系チェーンオペレーション会社C社では、若干の収入アップよりも、企業理念の共有や浸透に向けた施策を経営陣に求める声が多数派を占めていました。制度や待遇への不満よりも、価値観の共有や職場としての一体感を求める悲鳴のほうが上回ることもあるのです。
このように、企業がより活性化するためには、その企業で働く個人のモチベーションが明確になることが重要であることがお分かり頂けたと思います。そのためには、個人的なモチベーション調査が大前提となるので、個別にカウンセリングを受けるようにきちんと項目(組織基盤、理念や戦略、事業目的や社会性、仕事の創造性、組織風土、人的魅力、施設環境、制度待遇、情報共有、組織管理力、顧客満足、目標設計、チーム力、業務効率化など)を整理し、その項目に対しての考えを伝えることが重要となるのです。そのカウンセラーという立場になるのが、人事評価を行う担当者になります。既存の指揮系統を守りつつ、カウンセラー(担当者)に相談され、その相談した事柄が実現されていく、そのような企業基盤作りがモチベーション向上に繋がるのです。
阪南倉庫は、企業成長にとって最大の資源は「そこで働く人材」であり、「人材こそが企業成長の最大最強の資源である」と考えております。物流というこれからますますプロフェッショナルな技術が必要となり、需要が増えてくる分野で、阪南倉庫が力を発揮するためにも、モチベーションマネジメントを非常に重要視しており、今後必ず強化されていきます。ただ、モチベーションというのは、相互の意思疎通により高められるならば、大掛かりなモチベーションマネジメント仕組みづくりの前に、意思疎通をしやすくする環境づくりを心がけていただければ、今すぐにでもモチベーション向上は可能になるのではないでしょうか。また、このようなモチベーション管理の考え方と、当社が進めている感性を大切にした人づくり(五感主義:先手主義、得手主義、手に職主義、関わり合い主義、思いやり主義)により、関わる全ての皆様の幸せに繋げていけると信じています。
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