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通信販売の成長は宅配会社が支える

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いろいろとブログの更新方法も試行錯誤しながら、更新しています。今までは、行動録、物流用語、事例集を順番に回しながら作っていましたが、読まれる方の目線で考えるとクルクル変化するよりも、繋がりで掲載した方が良いものは、一度にしてしまう方が良い感じがするので、今回は前回に引き続き用語集の販売物流の第三弾「通信販売の物流」についてお話したいと思います。まずは通販の定義についてご説明しますと、通信販売(通販)は、今まで説明してきました他の小売りと比較すると大きく違う点があります。それは通販業者が、商品を展示・販売する窓口となるお店を持たないで、テレビやラジオ、カタログやインターネットなど、実物の商品をお客様にお見せしないで注文を受け、販売するということにあります。この通信販売業態は、今大きく分けて3つの分類に分けることができます。1つは、広告折り込みやカタログ、ダイレクトメールなどの紙媒体を通した通販。1つは、テレビやラジオ、ケーブルテレビなどの、メディアの通販。最後にインターネットを使った通販。もちろん大手の通販会社は、お客様と3つ全部の分類で取引しているのですが、この3つはそれぞれ特徴があります。

   

まずは、紙媒体を通した通信販売の特徴は、お客様の手元にその媒体を配るところから始まり、つぎに注文を電話かFAX、ハガキ、インターネットなどにより行い、注文を受けた商品を納品する。この仕組みでは、まずお客様に新聞やダイレクトメールなどを利用して、紙媒体をお届けします。その後お客様より注文を受ける訳ですが、注文の受け方は既述の通り多岐に及んでおり、それを合理的に管理するために大きな投資が必要になっています。また、できる限り1回の注文で多くの商品を販売したいと考えているために、一般的に小売り店舗では、1500~3000アイテム程度の品種ですが、カタログ通販では、10000アイテム以上の取扱をしている会社も多く、その分専用の物流センターで大規模に保管し、細かく出荷する体制になっており、倉庫賃、運賃、人件費とも多額の費用が必要となり、全体的には高コスト体質の企業が多く、この分野は大企業のみ生き残っている状態です。

   

一方、メディアの通信販売ですが、これは皆様も良く御存じのテレショップと呼ばれるような、夜中に同じ商品を繰り返し見せたり、また企画・販売会社がメーカーの協賛をえて、テレビを通して専門チャンネルやスポットCMで販売したりする、そのような販売方法です。フリーダイヤルの電話で注文を受け、その注文毎にお客様に納品する形で、非常にシンプルな運営になっています。基本的に商品アイテム数は少なく、決め込んだ商品を大量に売る方法が主流です。この分野の物流は、同じように専用物流センターの運用になりますが、取り扱い品目を絞って集中的に管理しているため商売の規模に応じて計画的に運用することが可能で、協賛メーカーと売り切りを前提に取り組みしているものの、売れ残った場合の返品を協賛会社が受け入れるため、在庫リスクも低く、実際の運営が軌道に乗り、お客様の信頼を得て多くの販売実績を実現できている会社は、非常に収益を上げていると言えます。

   

最後にインターネットの通信販売ですが、他の通信販売と大きく違うところは、受注手段をインターネットに絞り込んでいることであり、一般的に通信販売が人の手を介して注文を受けているのに対して、すべて情報システム機器を通して注文を受けることが特徴的です。またインターネット通販は、専門のインターネットショッピングモールに企業が入店して販売するモール型通販と、自社で独自のインターネット通販サイトを構築し販売する独自開発型通販に分かれています。モール型は在庫責任が入店企業でモール運営会社には手数料を支払い(つまり家賃をお支払いして来客数が多い百貨店に入店する販売会社のイメージに近いです)、モール運営会社はより多くの人がそれらのモールを介して通販を円滑に行えるようにするサポートの仕組みを提供しています。このようなモール運営会社の協力により、ネットの通販を開業するための参入障壁が低くなっているのも特徴です。また、独自開発型通販は、自社でインターネット販売サイトを立ち上げ、商品写真の撮影などいろいろな作業が発生すること、また在庫のリスクも背負う可能性が高いこと、また多くの方に見て頂けるインターネットサイトの運営を自社でしなければならないことなど、課題も多いですが、それらの課題を一緒に解決してくれる通販専門の物流会社やシステムサポート会社も増えており、販売戦略など既存の実店舗と連動して対応することができることから、独自開発型も増加しています。

   

このようなインターネット通販の成長、普及により、大きく成長した市場があります。宅配便の市場です。そもそも店舗を持たない通信販売業者は、お店にお客様が取りに来られることがないために、販売した時にその商品をお客様にお届けする物流が欠かせない業態です。通信販売の市場は、宅配便市場を含む物流サービスの向上とともに発展し、成功を収めていると言えます。通信販売業者は、より合理的に経営するために、在庫をできる限り少なくして、売れるときに一気に売ってしまう。販売後の売上の回収は、商品をお届け時にクレジットカード、現金などお客様のニーズに合わせて完了させる。そのお客様へのお届も日曜配送はもちろん、届け時間を細かく指定して頂ける仕組みをつくり、それでもお留守の場合は、直接ドライバーの携帯番号まで連絡頂いたり、また宅配ボックスなどに預ける。このように、上記のようなサービスは、物流のサービスとして現在すべて倉庫会社や配送会社が一手に引き受けているのです。

   

   

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